フィッシュ&チップス

カモがチップ背負ってくポーカー日記

100NLzプレイヤーが分析する一場面 プリフロップ編~WSOP 2019 MILLIONAIRE MAKER $1,500 NO LIMIT HOLD'EM Finall Table~

こんにちは。こんばんは。フィッシュ&チップスのフィッシュかもです。

 

ひゃっほうさん、準優勝おめでとうございます!

まずは、ひゃっほうさんこと池内一樹さん、WSOP 2019 MILLIONAIRE MAKER $1,500 NO LIMIT HOLD'EMの準優勝、おめでとうございます!そして、お疲れ様でした!

 

今回は、そのファイナルテーブルから次の一場面を取り上げてみたいと思います。

 

状況整理

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 SB/BB 800K/1.6M BB ANTE 1.6M 

 

SB GARG Q♣8♥ 13,325,000(8.328125bb, CSI3,33125, 6%)

BB IKEUCHI K♥T♣ 86,250,000(53.90625bb,CSI21.5625, 39.12%)

LJ GORSUCH J♠8♣ 17,550,000(10.96875bb,CSI4.3875, 7.96%)

HJ THIBODAUX T♦8♠ 36,075,000(22.546875bb,CSI9.01875, 16.36%)

CO TAMASAUSKAS Q♥2♠ 12,900,000(8.0625bb,CSI3.225, 5.851%)

BU ALBERTSON A♣K♣ 54,375,000(33.984375bb,CSI13.59375, 24.66%)

Total 220,475,000 

 

Payout Structure

1st $1,344,930, 34.7%

2nd $830,783, 21.43%

3rd $619,017, 15.97%

4th $464,375, 11.98%

5th $350,758, 9.05%

6th $266,771, 6.88%

Total $3,876.634

 

BU A♣K♣ Raise to 3.3M(2.0625bb,30% pot raise)

BB K♥T♣ 3bet to 11.1M(6.9375bb,86.7% pot raise)

BU 3bet call

 

Board 9♠7♣J♣5♦T♥

 

Flop pot 24.6M(15.375bb),Effective Stack 43,275,000(27.046875bb)

BB check

BU Bet 7.7M(4.8125bb,31.3% pot bet)

BB Raise to 43.275M(27.046875bb,88.9375% pot raise)

BU 2bet call

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まずはプリフロップ編

2ndチップリのBUはA♣K♣というプレミアハンドを得て30% pot raise。

これに対して、BB K♥T♣のひゃっほうさんは、86.7% pot raiseを返します。

 

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3ベットレンジにKToを加えたことは適切か

まずEffective Stackが34bb、CSI13.6のときに、KToが3ベットレンジに入るのでしょうか。

 

この点、かもが使っているプリフロップレンジでは、KToは100% 2bet callとなっており、3ベットレンジには入っていないようです。

 

しかしながら、KQs、KJo、ATsは3ベットと2ベットコールの混合戦略になっています。

また、KToはKとTという2枚のブロードウェイカードを抑えており、KK,TT,AK,AT,KQs-K4s,KQo,KJ,KT,QTs-8Ts,QToなどBUの3ベットディフェンスレンジのコンボ数を減らせています。

そして、放映内容を見る限り、BUはタイトパッシブなプレイヤー。3ベットレンジを広げてオーバーフォールドさせることが狙えそうです。

さらに、1つ順位が変われば$84,000弱賞金が変動するうえに、チップリーダーのBBは2ndチップリーダーBUのスタックをカバーしています。

 

これまで長時間に渡ってこのBUと戦ってきたひゃっほうさん。ここはテーブルの情報をうまく使って、GTOから外れた搾取プレイをしているといえそうです。

 

3ベットサイズは適切か

次に6.9375bbという3ベットサイズは適切でしょうか。

これは、かもが使っているプリフロップレンジによると、Effective Stackが34bb程度ですと6.5bbを推奨しています。

それに比べると0.4375bb、7.8%ほど大きいです。

 

通常、レイズサイズを大きくすると、相手のディフェンスレンジを狭くすることができます。

 

ここはタイトパッシブなBUに対し、少し大きめの3ベットを返すことでより大きなフォールドエクイティを得にいったものといえそうです。

 

3ベットコールレンジにAKsを加えたことは適切か 

しかし、不運なことに今回のBUが持っているハンドはプレミア中のプレミアAKs.BBのKToをドミネイトしています。

 

このAKs。かものレンジに基づくと、BBの3ベットに対しては4ベットオールインの純粋戦略になっています。

しかしながら、BBは総チップ量の39.12%を占有するチップリーダー。BU自身も24.66%を有する2ndチップリーダーです。4位以下のCSIが4.5を下回っていることから、順当にいけば3位以上の賞金を得ることができそう。

でも、万が一ここでBUが負けると6位。3位との差額は$352,246にも及びます。

 

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軽々に4ベットオールインを返すことができません。

3ベットコールを選択します。

 

なお、仮にここでBUが4ベットオールインを返せていた場合、BBのKToは耐え切れずにフォールドしたものといえると思います。運命の分かれ道でしたね。

 

 終わりに

いかがだったでしょうか。

書いてみると想像以上に面白く、また長くなってしまいました。

そこで、フロップ編については次の記事に回したいと思います。

お楽しみに!