100NLzプレイヤーが分析する一場面 ケリー基準と余談編~WSOP 2019 MILLIONAIRE MAKER $1,500 NO LIMIT HOLD'EM Finall Table~
こんにちは。こんばんは。フィッシュ&チップスのフィッシュかもです。
今回は、まず前回の記事で扱った「ケリー基準に従った場合」についての訂正を行いたいと思います。
訂正内容(依然ミスが含まれていると指摘されています。次回の記事で再訂正予定です。)
訂正の内容は、次の通りです。
----
誤
仮にケリー基準からオールインコールの必要勝率xを求めると、
{(1+0.484)^x} *(1-0.615)^(1-x)≧1を満たす必要があります。
このときxはx≧0.707437を満たす必要があります。
しかし、A♣K♣の勝率は57.396%に過ぎないため、ケリー基準に従うとコールを正当化できないことになります。
--
正
仮にケリー基準からオールインコールの必要勝率xを求めると、
{(1+0.484)^x} *(1-0.615)^(1-x)≧1を満たさなければ、同条件でのコールを繰り返したときに$EVが減っていくことになります。
この不等式を満たすためには、x≧0.707437でなければなりません。
そのため、勝率57.396%しかないA♣K♣でのコールは、仮に同条件で繰り返し続けると、$EVを減らしてしまうことになります。
ただし、この計算は、「同条件でコールをし続けることは、$EVをいずれ減らしてしまう($EVの成長率が1未満である)」ということを意味するに過ぎず、「コールとフォールドという2つの選択肢を比較してフォールドの方が優れている」ということまでは意味していません。
なお、A♣K♣のオールインコールをし続けることによる$EVの成長率は、
{(1+0.484)^0.57396} *(1-0.615)^0.42604≧xより、0.835191でした。
このような状況は人生で何回あるか分からないので、これらの数式を行動の指標に据えることにどれほど意味があるのかは疑問ですが。
----
余談ーPoker News記事との異同
PokerNewsでも同じシチュエーションが取り上げられていましたね。
日本語訳(翻訳者@parallaxmaさん)はこちらです。
記事が開始スタックなどを間違えている点は置いておくとして、AKsで3ベットコールしたのは間違いであるという点においては、意見が一致しました。
ただ、フロップCBを打つ場合のサイズについては、意見が分かれたようです。
確かにA♣K♣単体で見た場合だと、CBオールインというのもありえなくはないのでしょうね。レンジの被搾取可能性を抑えることが難しそうだなという印象を受けましたが。
終わりに
いかがでしたか。
今回の訂正は、@PokerTkokさんからのご指摘を契機として試みました。ありがとうございます。
まだ誤っている可能性は残されていますが、当ブログ「フィッシュ&チップス」では、ミスが発覚した際にはできる限り訂正記事を書いて対応してゆきます。
そうすることで、ミスと反省を両方残すところから得られる学びや気づきを大切にしたいと思っています。
ということで、皆さんからの批評を首を長くしてお待ちしております。
読者の皆さん、いつもありがとうございます。今後ともよろしくお願いします。